春の野山に出かけるとホーホケキョとウグイスの声が聞こえます。
ウグイスは春を告げる鳥として春告鳥とも呼ばれており、日本人には身近な鳥です。
ウグイスはメジロ、ホトトギスともイメージ的に重なるところがあり、ややもすると混同してしまうことにもなりかねません。
今回はそんなウグイスについて調べてみました。
目次
1. ウグイスはオスだけがホーホケキョと鳴く
・ホーホケキョと鳴くのは繁殖期のオスだけ
ウグイスは2月頃から鳴き声をきくことができます。
その頃はケキョとかいって鳴いています。
ホーホケキョと鳴くようになるのはそれから後の春先になります。
ホーホケキョと鳴くのは繁殖期のオスだけで、縄張り宣言の意味と、メスを求める意味とがあります。
危険を察知した時はケキョケキョケキョと鳴きます。
・オスは子育てには参加しない
ウグイスは一夫多妻でオスは何匹ものメスとつがいになりますが、オスは子育てには参加しません。
林やその周辺の藪の中にはつがいになったメスの数だけ巣が作られますが、巣作りや、抱卵、ヒナに与えるエサ運びはメスだけの仕事です。
このため、ウグイスの巣は留守になりやすく、赤の他人のホトトギスに勝手に卵を預けられてしまうことになります。
ホトトギスの産む卵は、ウグイスの卵に似ているのでウグイスは気が付きません。
ホトトギスの卵はウグイスの卵より先に孵化し、先に孵化したホトトギスのヒナは、まだ孵化していないウグイスの卵を巣から外へ落としてしまいます。
ウグイスの親はホトトギスのヒナを自分のヒナだと思って育てます。
びっくりですね。
2. ウグイスとメジロの違いは?
・ウグイスは、スズメ目ウグイス科の鳥類で、背部がオリーブ褐色、腹部が灰色の体色をもつ小型の鳥です。
鳴き声はホーホケキョの他に、ケキョケキョケキョ、チャッチャッと鳴きます。
成体の体長は14~16cmでスズメと同程度です
日本全土に分布し、小型の昆虫や植物の種子、木の実などを食べる雑食性です。
ウグイスは警戒心が強いので、鳴き声は聞けても姿をみることは難しいです。
・メジロは、スズメ目メジロ科メジロ属の鳥類で、背部が黄緑色、腹部が灰色の体色で、目の周囲が白くなっています。
鳴き声はチィーチィーと鳴きます。
成体の体長は約12cm程度で「ウグイス」と比較してひとまわり小型です
日本全土に分布し、小型の昆虫や花の蜜や果汁、植物の種子、木の実などを食べる雑食性です。
「鶯色(うぐいす色)」といった場合「メジロ」に近い黄緑色を指すことも少なくありません。
メジロは花の蜜を好み、早春には梅の花を求めて集まってくる。また比較的警戒心が緩く、姿を観察しやすいです。
<見分け方>
ウグイスは背中がくすんだ茶色をしており、地味な印象を受けます。
逆にメジロは背中が黄緑色をしており、目の周りが白く円になっています。
3. ウグイスとホトトギスの違いは?
・ホトトギスは、カッコウ目カッコウ科の鳥類で、背部が黒褐色、腹部が白色に黒い横縞の体色を持つ小型の鳥です。
鳴き声が「特許許可局」や「テッペンカケタカ」と聞こえることがあります。
成体の体長は27~31cmでハトより一回り小さい程度です
食性は小型の昆虫、幼虫、毛虫、クモ類などを捕食する肉食性です。
日本には5月中旬頃に夏鳥として渡来してくる渡り鳥で、本州や四国に多く生息が確認されています。
<見分け方>
ウグイスは背中がくすんだ茶色をしており、スズメと同じ大きさです。
逆にホトトギスは背中が黒褐色をしており、ウグイスよりずっと大きいです。 (ハトより少し小さいです)
4. おわりに
いかがだったでしょうか?
ウグイスは古くから日本人になじみの深い鳥で、「ウグイス」やその別名の「春告鳥」は俳句では春の季語でもあります。
ウグイスのホーホケキョという鳴き声を聞くとホッコリするのは私だけでしょうか。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。